<鎌倉時代> 白拍子水干姿(しらびょうしすいかんすがた)
“しずやしず 賤(しづ)のをだまき 繰り返し昔を今に なすよしもがな”
文治11年(1186年)4月4日鶴岡八幡宮に召され、若宮回廊で源頼朝を前に
静御前が舞を舞い歌ったときの歌ですが、「義経記(よしつねき)」(作者不詳、1400年頃)
では、その時の静御前の姿を“静がその日の装束(しょうぞく)には、白き小袖一襲
(ひとかさね)ねに、唐綾(からあや)を上に引重ねて、白き袴踏みしだき、割菱縫い
(わりひしぬい)たる水干(すいかん)に丈なる髪高らかに結いなして・・・・”とあり、
立烏帽子を着けず太刀もなく、白の長袴に武田菱(たけだひし)の文様のある水干を着ています。
「義経記」に見える静御前のこの姿は、当初の白拍子姿が男性の凛々しさを感じさせるところから
女性らしく優美に変化させたものです。